長い1日 in Bugaboo〜後編〜
どうにかこうにかダート道を走りきり、ブリスコの商店に到着。
運転していたヒゲさんは疲労困憊。
でも、大変なのはここから。
商店のおばさんに相談すると、タイヤ交換ができそうな整備工場がある町は、一番近くてここからハイウェイを30分のラディウムとのこと。
この車でこれ以上走ることはできないので、どうにかしてそのラディウムまで行き、タイヤを買って持ち帰ってくるしかない。
潰れたタイヤをアピールしながら商店に来るお客さんに声を掛け続け、何とか、ラディウムまで乗せてってくれる女性を見つけることができた。
ありがとう、を10回くらい言ってしまったかも。
でも、本当に感謝。
ラディウムは温泉が出る田舎のリゾート。
小さな整備工場で中古のタイヤを探してもらう。
が、同じサイズの中古はなく、新品しか選択肢はないとのこと。
ショック。
そして、1本250ドルという金額にびっくり仰天。
どうしよう…
家族会議をしていると、お店の人がスペアタイヤ用と言って、径が一回り小さい中古タイヤを持って来た。40ドル。
これで、いいんじゃない?
結局このサイズが違う中古タイヤを購入。
タイヤを抱え、ブリスコに戻るため、暑い中またヒッチハイク。
車は結構通るものの全然止まってくれない。
作戦変更し、スーパーで待ち伏せして個別に懇願。何とか夫婦が乗せてくれ、無事タイヤとともにブリスコに戻ることができた。
なんだかんだありつつ、時間はまだ13時過ぎ。
一時は今日中に山に入るのは無理だと諦めていたけど、まだ間に合いそう!
疲れてはいるけど、予定通りクライミングができるかもしれない、という希望に嬉しくなる。
よし、戻ろう!
タイヤ交換を済ませ、再出発。
スペアタイヤがない我々は、とにかく慎重に運転するしかない。
たぶん普通の車の2倍くらい時間がかかったと思う。
やっと着いた。良かったー。
登山口に到着した時には本当にホッとした。
準備を済ませ、車のゴムを噛みちぎる小動物対策に車の足回りに金網を巻く。
17時頃登山口を出発。
ハイキングトレイルを2時間とちょっとで、Conrad Kain Hutへ到着。
次第に日が落ちて来るのを感じながら、BSコルを越えて氷河上へ。
BSコルは氷河やクレバスの状態もだし、浮石ばかりで落石も多く、状態がかなり悪かったー。
コルを上がり安定した氷河を歩いて、今日ビバークするピジョン・ハウザーのコルへ。
すでに日は落ちていたけれど、月明かりがありがたかった。
岩がゴロゴロする中に、いくつかビバークスペースがあり、数パーティがここでビビィしていた。
時間は23時。
疲れてはいたけど、でも明日予定通りクライミングできることの嬉しさの方が優っていた。
思ったよりも暖かかった。ご飯を食べ、今日の長い1日を想いながら、寝袋に潜り込んだ。
さあ、明日は思い切り登ろう。
さやか